片山健さんの初期の作品です。私が幼稚園児のときに、怖いながらもよく読んでいました。
兄弟が森に散歩にでかけます。お兄ちゃんは、弟よりもかけっこが早いことを見せつけようとしますが、気づいたときには、薄暗い森の中でひとりぼっち。怖くて「おーい」ってよんだら、おばけがあっちからもこっちからも。
今読み返すと、やっぱり怖いです。おばけの顔は、よくみるとユーモラスでかわいい。でも、その表情がどのページも変わらないのが、不気味。
男の子の気持ちが自慢から不安へ、危機感から安心感へと変わっていく様子が、年月を経ても味わえます。