全ページ、幻想的で美しい海中が繰り広げられています。眺めているだけで癒されます。
話の方は、さすが詩人だけあって言葉まわしなど声に出して読み易かった。
海の子・浜辺の子という枠にとらわれず、貝として出来る限りのことをし、時には辛苦を舐め、時には達成感を味わい……プチキューの生涯を通して、私たちも頑張ればこんなことがあるよという意味かな。
そっと本棚に忍ばせておいて、外で疲れた時なんかにゆっくり読み返してみる。そんな大人の絵本ですね。
ところが!読後長いこと経ってじわじわきました!
親子共にとても心に残り、食事用に購入する二枚貝はすべて”プチキュー”と呼ばれるまでに。
この本を通し、プチキューは娘の所にやってきた。命をかけて。それを美味しく食べることが娘の仕事だ、カニのように泣きながらでも。そうすることによってプチキューはあなたの中で(栄養として)生き続けるのだ。それが命を受け継ぐということだ。そんな食育話を交わしました。
本の主旨とは違うけど、そう桁違いに大きくも違わないと思っています。娘がおかわりして言うには、「(美味しく食べたから)プチキュー、ちゃんと栄養になった?」
すごい。絵本の底力を見ました。