好きな作家さん。大好きな村上勉さんのイラストだからこそ、辛口の評価にしました。
この本のもとになった小説「旅猫レポート」は発売当時に読みました。
作者が“子ども”の読み手を対象に物語を描いたのは、初めてのことではないかと思います。
物語自体はとっても素敵なお話ですが、子どもバージョンのこの本の構成の仕方が個人的には好きではありません。
読み手が子どもだから、文章を短く大筋だけを残しました感がとても出ている作品です。
簡潔に、小学生くらいのお子さんでもわかる言葉で物語の世界を描くことに、何ら問題はありませんが、
この本は作者自身の原作があるだけに、ただ「端折っただけ」という印象を受けてしまいました。(私だけ?)
有川さんだからこそ、もう少し突っ込んだ、子どもたちにわかる目線で「ナナ猫の旅」を描きなおしてほしかったです。
また、こういう本の形態を「絵本」という言葉でくくっていることに、やや違和感を感じました。
申し訳ありませんが、この本を読むなら、原作の小説の方をおススメしたいです。