まさかナビのレビューでこの本に出会うとは!
私も小さい頃読んだ本で、大好きな本です。
いまだに手放せず持っています。昭和42年発行(初版は昭和33年!)のもので、定価は270円となっています。
中はシミだらけで、多分人に貸したらゲッと思われるような状態だと思いますが、時々開いては読んでいます。
たぬき学校の子ども達がいろいろなことを学んでいく様子が描かれていますが、先生も生徒もたくさんの失敗をして、その中から自分で生きていく知恵を学び取っていくのです。
教訓めいた話や不自然な美談などはなく、等身大の子ども達が描かれています。
生徒達は学んでいくことに素直で、疑問を持つと必ず質問して解決しようとしますし、また先生から何か問題を投げかけられると一生懸命考えて、自分なりの答えを見つけようと模索します。
先生も生徒の意見によく耳を傾けて、自分の悪い点はきちんと認めて直していこうとする姿勢が見られます。
もちろん、お話としての面白さも十分にあります。
人と違った宿題をしようとして人間に捕まってしまったり、「みんなで力を合わせる」ということを学んだ後に、落とし穴を掘って先生を落としてしまい、「みんなで力を合わせて落とし穴を掘りました」と言って叱られることを逃れようとしたり、木登りの勉強でりす先生に習ったり。
思わず引き込まれてしまうエピソードが満載です。
子ども達に読み聞かせたことはありませんが、パネルシアターでできないものかと考えたことがあります。
この本の面白さを多くの子ども達に知ってもらいたいですね。
余談ですが、この本は、講学館の「日本の子ども文庫」というシリーズの一冊ですが、他に『ゆかいな吉四六さん』(富田博之作)、『おさるのキーコ』(今井誉次郎作)などがあり、これらの本も大好きでした。
いい本は、是非復刊して欲しいものですね。