幼稚園の割には、大人すぎなお米の園児たち。
すでに一人で通学できているしっかり者ばかりです。
米を作っている農家で生まれ育った人には懐かしい感じ。
農業体験がない人にも十分楽しんでもらえる素晴らしい絵。
ちょっとしたゲームも楽しめ、(かくれんぼしているお米を見つける、など)
見ているだけでも遊べる、飽きさせない工夫が盛りだくさん。
お話も次から次へと意外な展開で、面白い。
本当のことを言うと、農薬をバンバン使っている「普通の田んぼ」には
こんなに豊かに生き物なんかいないし、かかしで遊んだ体験もございません。
空想の世界の、理想的な、昔話風の田んぼ、というふうに割り切って
楽しむならいいと思います。
食育、というなら、農薬やいろいろな要素で生き物がどんどん減っていて、
荒廃していく農村の現状を伝えて欲しい。
農業用水路に、メダカもたにしもいません。18年間暮らしてきた農村の風景に、生き物と言えば「害虫」といわれて殺虫剤で殺されていく虫ばかりの印象しかございません・・・悲しい事に。
現実は厳しいのですよ。
と、わかっていて読む分には、ファンタジーとして楽しめます。
この作品のように、自然が回復するように願っています。
人類が明るい未来を子孫に残してあげられるように。