イタリア、サルデーニャ島に住む10才の少年とその家の日常を撮影した写真絵本。旅館業を営む父と母、妹の4人家族は、親戚たちと一緒に大きな家に住んでいる。学校は1時半で一度家に戻り、家族と一緒に昼食をとる。その後放課後。習い事などをしてすごす。
日本の小学生とはまったく違う、のんきな楽しい雰囲気と、独特の時間が流れている。
サルデーニャ島は船の中継地点として栄えた歴史があるので、いろんな国の人からいろんな文化を教えてもらったため、パスタやパンの種類が特に多いらしい。日本では見たことがないおもしろい形のパスタがあり、パンは昔ながらの釜で焼く。大人も子どもも人生を命いっぱい楽しんでる。冗談を言い合っていて、ギャグが好きなのは老若男女。写真に写っているいい年こいた大人がふざけてる様子がうらやましい。みんなそれなりに生活が大変で、人生いろいろあっただろうけど、陽気に写真に写っている。
いい本ができたが、あとがきによると、撮影から8ヵ月後、おかあさんが亡くなったという。最後の最後に、悲しいお知らせを読んで、人生は何がおきるかわからないと思った。
写真に写っている陽気なイタリア人たちも、きっといつどうなってしまうかわからないから、今を精一杯楽しく、幸せに暮らそうとしているのではないかと思った。この本が天国におそらくいるだろう、ジャンパウロのお母さんに届きますように。