これは、個性的な絵本です!まず絵が日本人にはなかなかなじめないタッチで、アメコミ風なんですね。話も「不思議の国のアリス」のようで、突如異世界に落ち込んだ主人公がわけもわからず変な住人たちに掻き回されながらも機知と勇気?とできり抜けるといった感じです。「ミルク!ミルク!ミルクがなきゃケーキが作れない」と騒ぐコックたちは、ケーキつくりだけのことを考えていて、ケーキが出来れば怖い人でもなんでもないが、ケーキが作ることができなければ、一種の狂気を帯びて駆り立ててきます。日本の絵本にはない、この不思議な恐怖を味わいたくてつい、こわごわ読んでしまいます。読めば怖い。でも面白い。そんな絵本。うちの0歳児には、楽しげに絵だけをめくって見せてあげています。