表紙の大きなトラの絵を見て、てっきりパンチョギとは、このトラのことかと思って読んだら、そのトラの下に描かれた片手片足、片目の男の子の名前だった。
朝鮮半島の昔話。
子供に恵まれないおじいさんと、おばあさんが、夢に現れた仏様の言葉に従い井戸にいる三匹の鯉を食べた。おばあさんは、三匹の鯉をとって食べようとしたが、猫に一匹だけ半分食べられてしまった。残った二匹半の鯉を食べたら・・・。
気立てがよくて力持ちの、一眼一足のパンチョギは、どんなに意地悪されてもめげることなく、まっすぐに前だけを見て進んでゆくたくましい男の子。外見的には、障害者なのだが、どんな難問でも解決してしまう豪快さが素晴らしい。自分の足りない部分は、全く気にしていない。
最後に金持ちの娘をさらってお嫁さんにするのだが、きちんと相手の意思も後から確認し、決して力づくで問題を解決するなどと浅はかなことはしないところが好感が持てる。
娘も、外見の悪い彼を気に入ってくれる人の良さがあり、なんとも微笑ましい。
大きな絵本なので、教室で読み聞かせするのもよいのではないでしょうか。