息子は図書館でこの絵本を見つけた時に、表紙の楽しそうに海面を跳ねるトビウオの絵を見て、とても明るい内容の絵本だと思ったようです。
私は小学校の授業等でどんなに悲しい話か知っていたので、一瞬借りようか迷ってしまったのですが、そろそろ理解出来る年頃になりつつあると感じ借りて読んであげました。
物語はトビウオのぼうやの病気が治ったとも治らなかったとも告げないまま終わりを迎えます。
巻末のあとがきを、子供にも分かるように言葉をところどころ替えて説明して聞かせました。
息子は大泣きしました。読みながら私も一緒に泣きました。
誰一人幸せになれないのに、沢山の人や動物が悲しい思いをするのに、何故恐ろしい兵器を開発し、殺し合いをすることを止めることが出来ないのでしょうか。
平和な日本にいてはなかなか戦争を身近なこととして感じることは難しいと思います。
それでも、一人一人が「戦争反対、核兵器反対」と強く唱え続けることが大切なのではないでしょうか。
小さな声も、集まれば大きな声になる。
私たち大人に出来ることは、子供たちの心に平和を願う気持ちの種を植えることかもしれません。
この絵本はきっと、そのお手伝いをしてくれると思います。
いつまでも読み継がれて欲しい、悲しくも目をそらしてはいけないことが描かれた素晴らしい絵本です。