大好きな落語絵本シリーズですが、このタイトルを見た時には驚きました。
「え!!!たがや????え〜!無理だよ〜」
なにしろ このたがやという演目、最後にお侍の首が飛んで、掛け声で「た〜が〜や〜」なんですから・・・。
川端さんご自身も書かれていますが、それをそのまま絵本になんて絶対できませんよね。
どういうお話とラストになっているのか、ハラハラしながら読み始めると・・・、なんて素晴らしいお話になっているのでしょう!
驚きました。そして、ますます このシリーズと作者の川端さんが好きになりました。
たがやさんと長屋のみなさん、そして 花火見物のお客さんたち。
緊急事態に、居合わせたみんなのとった行動。
取り上げ婆さんも、屋形船のお客さんたちも、お相撲さんも・・、「あ〜、ひとっていいなぁ。」って、ジーンと来る事をしてくれる人ばかり。
子どもには この人情を全部わからせるのは 無理だろうとおもいますが、たとえば最後の「おぎゃあ おぎゃあ」の声にだけでも、『あぁ、よかったねぇ』と感想が出れば 大成功でしょう。
「たが」の説明から、橋の上のお産のシーンなど、他にも、小さいお子さんには 難しい箇所が多いかも知れませんが、小学生位からなら 触れて欲しい作品です。