両親の愛、特に母の愛を求め、でも一人で耐えているロバートの姿が切なかったです。そんなロバートに寄り添う犬のエリー、祖母のマッティ。そしてマッティに寄り添うご近所の医師であり友人のヘンリー。人は、共にいる温かさで互いを支え合う・・・そんな風に感じました。
タイトルの『ぼくのなかのほんとう』は、作者の一番言いたかったこと。他の人の言動や価値観に左右されない、譲れない自分の中の大切な真実、ということでしょうか。祖母のマッティは、自分の中の「ほんとう」を大切に、自由に軽やかに生きています。お医者さんのヘンリーにも「ほんとう」がありました。
ロバートは彼らと過ごし、「冷たい」と感じていた母さんの心の傷を知って少し理解し、自分の中の「ほんとう」を見つけることができました。彼は思慮深く、思いやりがある本当にいい子です。きっと、これから母さんといい関係を築いていくことでしょう。
ロバートはいろんなことを感じ、心の中でいろんなことを考えていました。同じようにいろんなことを抱え感じている子どもの心に響く物語かなと思いました。小学校中学年くらいから。