牧場から売られてしまう、こうしのまるちゃんと、その後を必死で追いかける、むくどりのりーやの物語です。
まあ、なんとこのこうしのまるちゃんの可愛らしいこと。
女の子特有の、ふんわりとした、焼きたてケーキみたいな可愛らしさですね。
対するむくどりのりーや。なりは小さいけれど、彼は立派なナイトです。
子牛のまるちゃんよりも、はるかに小さな小鳥ですが、彼の頼もしさときたら!
この絵本、私が幼稚園の頃に読んだのですが、子供心にも、じーんとしびれるものがありました。
この挿絵をお描きになったのは、故小松崎邦雄氏。
油絵の大家で、舞妓の絵が特に有名です。(渡辺淳一「化身」の挿絵でご存知の方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか)
牛の絵も何点かあるようですが、こんな可愛らしい絵本をお描きになっていらっしゃったのですね。
(読んでいた当時は、もちろん大家の作品だとは気がついてもおりませんでしたが)
はなればなれになった二匹が、あれやこれやをのりこえてで出会うシーンでは、何度読んでも、「あーよかった♪」と思ったものでした。
この絵本は年長さんの三月に配られたこどものともなので、文字数としては多いのですが、
うちの子供も、物語に引き込まれ、一生懸命聞いていました。