タリバン政権下で女の子が男の子のふりをして家族を支えた話『生きのびるために』の続編です。
あれ? もしかして、この本の前にもう1冊ある?とさえ感じさせられる出だしでした。折角、前作『生きのびるために』の最後に、刑務所から釈放されたお父さんと再会を果たし、お母さんと姉を探しに行く、少しだけ希望の持てる終わり方をしたというのに、まさに突き落された感じにさせられました。だって、お父さんを埋葬するところから、続編は始まるのですから...
その後は、これでもかというくらい不幸が続きます。そしてその不幸が起きれば起きるほど、主人公の道連れは増えていくのです。それもまだ歩けない赤ん坊や片足をなくした少年... 普通ならば、この組み合わせだと生き残ることなんてできないだろうに、そこがやはりどれだけリアルにかいてあっても創作の話であって、だからこそ却って、いつだって戦争の犠牲者になるのは子供たちなのだと伝えたい作者の意図が読み取れます。
少しの希望や安らぎを手にすると、はかなくもすぐ失う。希望の持てない日々に、きっと現実はもっと悲惨なのでしょうね。でも、作者のデボラさんは、そのままで終わらせたくなかったのでしょう。前作でもそうだったのですが、最後の数ページでの展開に、また救われました。
レイラと地雷野のところがとても印象的でした。