小1位の頃、はまった記憶がある絵本です。
小4の娘が最近話題にしていましたが、ウチにはないので読んであげたことなかったなあと思い、ひとまず図書館で借りてきました。
娘はこの絵本を「科学的に」検証した児童向け書籍で知ったようです。
読んであげようと思ったら、自分で読み始めたので隣で一緒に読んでみたのですが…
なんで私、あんなにこの絵本が好きだったんだろうとなんだかおかしく思いました。
目移りしてあの猫もこの猫もと際限なく抱き上げるおじいさん。猫飼いの目線からすると、合計10匹以上の猫を軽々と抱えあげるなんて有り得んやろうと、妙に現実的な感覚で捉える自分を感じました。
隣で娘も「草食べさせたの…!?肉食なのに…」などと言っていましたし…
100万匹の猫たちが姿を消した時、おばあさんが発した言葉「きっとみんなでたべっこしてしまったんですよ」さらりとすごいことをおっしゃっていますが、子どもの頃はここは全く引っ掛からなかったなあ。昔話と同じ。リアルな共食いのシーンなんて想像しませんでした。なんだか魔法のように消えるべくして消え去ったイメージでした。
どうにも収拾のつかない事態がきれいに収まり、ラストですっかり登場人物たちの願いが叶ったことに安堵していたのかもしれません。そしてまさにそれこそがこの絵本の醍醐味です。
それにしても、幼少時の自分との感覚の差に納得がいかず、娘の感覚に引きずられて物語に集中できなかったのかもと思い、翌日ひとりで改めて読み直してみました。
そして、ただ一匹残った痩せこけた猫のセリフにふと目が留まりました。末っ子で非力だと思われていた私が、実は力に満ちているのかもしれない、と、深層で感じ励まされたのだと、何の根拠もありませんが、そう思いました。
今回改めて読み直してみて、子どもの方が物語を読み取る力が優れているというのを改めて感じました。
ぜひとも子どものうちにこの素晴らしい絵本に出会わせてあげてください。…娘はリアルな猫に対する知識に、この物語を味わうことを少し邪魔されたかな…