遠野あたりの山では、不思議なことがよく起きる。
五月ごろ山に入ると、遠くに桐の花が咲く美しい山が見えること
があっても、行けども行けども花の咲く山に行き着くことはできな
い。きのこをとりに、山奥で金のといと金のひしゃくをみつけたこと
があったが、持って帰ろうとしたが、とても重くて持てないので、
目印をつけて、翌日、何人かで訪れたが、いくら探しても目印の
木さえ見つからなかったと言う。
三浦と言う貧しい家の女房が、蕗を取りに出かけた。
女房は、山で迷い込んだ館は、「迷い家」だったのだろう。
「迷い家」にたどり着いた者h、その館の物を何か持ち帰ると
幸運になると伝えられている。
「三浦の女房は欲がなくて何ももってこなかったから、
碗のほうから流れてきたのだろう」
碗を米びつの米を量る為に使うことにしたら、いつまでたって
も米が減らない。そのうえ次々と幸運が舞い込み、三浦家は
村一番の金持ちになってしまったお話は、とても後味がよか
ったです。