つい近年まで私の中では、宮沢賢治というと、「銀河鉄道の夜」かこのあまりにも有名な「雨ニモマケズ」という言葉で、正直そのくらいの知識しかありませんでした。
特に名作と呼ばれる「銀河鉄道の夜」はカタカナの長ったらしい名前とよく分からない話の進展にどうしてもついていけず、何回も断念したほどでした。
それが前回のレビューコンテストの時に、その絵の美しさを借りてか、初めて「銀河鉄道の夜」を読破でき、また火山岩の話などを読む機会が与えられて、段々と宮沢賢治の作品に触れるようになりました。
また子供が解いてた読解力のドリルにも「グスコーブドリの伝記」が出てきたりして、宮沢賢治の作品は暗いなぁ、でも、その中に人間愛みたいなもやら真みたいなものが根底にあるなぁと理解できるようになりました。
無知な私は、恥ずかしながら、この雨ニモマケズという作品は、この絵本を読むまで、何かの作品の中に出てくる一節なのかと思っていましたが、賢治の手帳に書かれていた詩だったんですね。
私にはまだまだ未読な作品が多いのですが、この詩こそが賢治のたくさんある作品の全ての祖なのだと思えてなりません。
苦手であった賢治がとても身近に感じた詩です。
このような高尚な人間になりたいものです。