今日は世界で一番有名なクマの絵本のお話をしましょう。
誰もが大好きな「くまのプーさん」の話です。
でも、その絵本『プーさんとであった日』は、プーさんのお話というより、プーさんという物語が生まれた誕生秘話のお話です。
絵本の順序とは少し逆となりますが、『くまのプーさん』のことを少し書きましょう。
作者はA・A・ミルンという英国の人。1926年に発表された児童書です。
ミルンの息子のクリストファー・ロビンが持っていたクマのぬいぐるみに着想を得て、書かれたといわれています。
この作品の原題は「Winnie-the-Pooh」で、実は「Winnie(ウィニー)」と呼ばれていたクマが本当に当時のロンドン動物園にいました。
そう、この絵本の描かれているクマこそ、その「ウィニー」なのです。
絵本のはじめに戻りましょう。
どのようにして、「ウィニー」がロンドン動物園にやってきたか。
当時ヨーロッパでは第一次世界大戦が起こっていて、カナダからもたくさんの兵士は出兵していました。その中に、ハリーという獣医師がいました。彼は出兵の途中で一匹の子熊と出会います。
あまりの可愛さに子熊を連れて海を渡っていきます。けれど、やはり大きくなったクマを戦地までは連れていけません。ハリーは仕方なくクマをロンドン動物園に預けていきます。
このクマこそ、のちにクリストファー・ロビンに出会うことになる「ウィニー」なのです。
実はこの絵本にはさらに驚くようなお話があります。
この絵本の作者、リンジー・マティックさんはあのハリーのひ孫にあたるのです。
絵本のおしまいには、ウィニーと遊ぶクリストファー・ロビンの写真なども収められています。