作者の大庭さんは、小学校中〜高学年の読物や大崎梢さんの小説の表紙絵でおなじみでしたが、絵本は初めてのように思います。
文字を読まず絵だけを眺めながら、トマとエマになった気分で道を進んでいくだけでも、お話がよくわかります。
それだけ絵が語っている絵本だと思います。
絵に描かれているものそれぞれに別の物語があり、見ているだけで想像できることもとても楽しく、世界がひろがるようです。
裏表紙に描かれた、トマとエマの様子から、実は裏表紙からも別の物語が始まっていることがわかります。
小学校の図書室で、中学年の子どもたちにそのことを話したら、みんな興味深げに手に取って、別の物語を味わっていました。
そして、この絵本の登場人物が、大崎梢さんの小説『忘れ物が届きます』の表紙絵にも登場していますよ。
いつか、この登場人物が主人公の絵本を読んでみたいです。