舞台はNY
プロローグは軽快なテンポで始まります。
大黒柱である、祖父の思いがけない死。
祖父の残した謎。
13歳のセオがどんなふうに考え、行動してゆくのか
彼女の生活や生い立ちが、洒落た映像が映し出されるような
感じの文章で進んで行きます。
数学の定理と香しい紅茶にしか興味を持たない、夢の世界に生きる母親、
画家であった祖父から受け継いだ、堅実でナチュラルな暮らしと膨大な絵画の知識。
物語は第2次世界大戦の描写へと進んでゆき、重苦しい気分になりますが、
エピローグは、明るい陽射しのようになっています。
初めて持った友人や図書館のお兄さんなども、物語をあたたかいものにしています。