先にレビューを書いてから10年が経ちました。
確実に高齢者の道を歩んでいる時に、再びこの本を手にしてしみじみとしてきました。
枯れていく老夫婦の暮らしが、このように「美しい」ものであったら、どんなに幸せでしょう。
死と隣り合わせの夫婦間に、これほどの思いやりと、穏やかな時間の共有があったら、死はそれほど脅威ではないかもしれません。
老々介護、壊れていく人間性、時に重荷にしか感じられない時間が出始めたら、包容できるゆとりなど夢のようになってしまうかもしれません。
そんな時は、この絵本を思い出しましょう。
その時にかける曲はシャンソンです。
人生をドライに包み込んでくれそうです。