ドームって何だろうと思っていたら、私は広島出身で市内に家があるので原爆ドームはいつも歩いて学校や会社へ行っていた道です。広島の人にはもう身近なドームですが、ドームの心の声ともいうべき思いがこの本には詰まっているように思います。スズキコージさんの力強い絵とともに、ここで生きていた人、そしてここで生きている人、それぞれがこの地で生きるんだという想いも感じました。忘れてはいけません。原爆ドームの近くの時計塔はいつも8時15分に鐘が鳴ります。小さな頃はどうしてこの時間になるんだろうと思っていましたが、この時間を忘れないようにと願いがこもっているようです。ドームの周辺はビルが並び、賑わっている場所なのですが、広島の人の心にはドームの存在はずっとあると思います。