水彩の透明な色光が爽やかな、キャロライン画伯の絵本だ。
誰も座っていない安楽椅子、手折って持つ野の花束。
わたしと、友のおばあちゃんの左右ページバランスが何とも対照的で
気になりながらもページを繰ってゆく。
わたしの暮らしと、友の家庭がそんなに気になるのだろうか?
活動的な友の祖母が、そんなに羨ましいのだろうか?
浜辺に花を摘みにやってきたわたしが、また町に戻る後ろ姿をみて
あぁ、そうかと思った。都会でもない小さな町、
人の目を気にするのだろう。
キャロライン画伯の水彩は色光ではなく、だから心色なのだろう。
何もかも忘れてしまったわたしの祖母を画くため
選び抜いた画伯ならではの心づかいなのだろう。
小説のように後説、好きではなかった。
本文それが、絵本のこころだから、心の色だから。
感謝