いちご農園に来た園児たちがいちごのおいしさに笑顔になる場面がある。
その時の主人公の気持ちがこんな風に語られている。「人には他人に認められたいという欲求がある。おそらくそれがすべての原動力だ」
この箇所を読んだ時に確かにと思った。自分の仕事がどんな風に評価され、人から喜ばれているのか?それを知る機会はあまり多くはない。それだけに、直接素直な気持ちが伝わってくる場面に出くわした場合の感慨はひとしおだと思う。
父が倒れ、やむなく苺栽培に関わることになった主人公の右往左往ぶりから見えた家族のあり方??日本の農業の行方は?仕事とは?
主人公の抱える問題のすべてが当てはまらなくても、自分に引き寄せて考えられる問題も多いように思った。
結末になるはど。どんな時にも突破口は見つかるんだという勇気がもらえた気がした。