わがままでいつも自分本位の、小さな古い自動車。
誰の言うことも聞く耳持たず、自分の思うがままに動きます。
運転手さんを置いてきぼりにして走り出した自動車は、
そこのけそこのけと言わんばかりに、かえるをはね飛ばし、うさぎを追い払い、
あひるをはね飛ばし、牛をはね飛ばし、おばさんをはね飛ばし、
ついには列車と衝突! 果たして自動車の行く末は…。
いろいろな生き物をはね飛ばしながら、笑って逃げていく様は、正直、
恐ろしいです。その言動には情けも容赦も感じられないからです。
列車にまで向かっていく根性は大したものですが、結果は案の定、です。
バラバラになった自動車の、部品がそれぞれ被害者の役に立つラストシーン。
皮肉であり、「ざまあみろ」という声が聞こえてきそうな…。
結局は、“悪いことはするものじゃないよね”ってことを伝えてるのでしょうか。
複雑な読後感が残りました。