シロクマと人間の女の子のお話ですが,この絵本の楽しさは何といっても子供のシロクマのミキが主人公でミキの目線で描かれているところです。
そこに子供たちは新鮮ささえ感じるのではないでしょうか。
ミキからみたら,人間の女の子は「ぽちっとあかい」のです!
女の子の手は前足ですし,手袋が何かだって知りません。
でもね,シロクマのミキと人間の女の子の共通点,無垢で純粋なところ。だからすぐに友達にだってなれちゃうんですね。
そして,お母さんのことが大好きなところ!
女の子とお母さんが抱き合っているのを見て,ミキもお母さんシロクマを恋しく想う。やっぱり子供にとってお母さんの存在は大きく温かいのだなと感じられる素敵な絵本でした。
人間の親子が抱き合う姿,シロクマの親子が抱き合う姿に,心がほっこりとしました。
冬の白い景色の中の赤,寒い中での親子の絆,その反比例のような感覚が,また物語の温かさを醸し出しているようにも感じました!
子供は,帰る場所(安心して帰れる人)があるから,外で思いっきり元気に過ごすことができるのですね。
子供目線で読んでも,親目線で読んでも,とても素敵な絵本でした。