言葉にはそれを使う人たちの文化が色濃く表れるものだと、改めて感じました。日本の文化からは、恐らくこの言葉は生まれないだろうという言葉ばかりですが、まだまだ知らない世界がたくさんあるなと思います。どれも初めて聞く言葉なのに、その言葉が生まれた遠い南国の島や寒い国の風景が浮かび、言葉の持つ色や温度を感じられて、少し世界が近くなったような気がします。紹介されている言語の話者が現在まだ数万人いる、というものもあれば、すでに話者0人という言語もあります。こんなに美しい言葉が世界にはたくさんあって、いつの間にか消えていってしまうと思うと、せめてこういう言葉があったということは覚えておきたい。きっと自分では一生使うことはないかもしれないけれど、世界中のどこかでこの言葉を使っている人がいると思うと、それだけで世界と友達になれたようで心がじんわり温かくなります。子供から大人まで多くの人に伝えていきたい宝物のような一冊です。