大阪は藤井寺市生まれの絵本作家長谷川義史さんが慣れ親しんだ大阪弁を駆使し、海外絵本の翻訳に新鮮な風を送ったジョン・クラッセンの『ちがうねん』や『みつけてん』。
そのクラッセンが絵を描いて、マック・バーネットが文を書いたのが、もちろん翻訳は長谷川義史さんで、この絵本です。
タイトルのとおり、主人公は「サンカクさん」。
名前のとおり、体型だけでなく、家も家の出入り口も三角で、性格もどちらかといえば三角。丸い性格でないのは、間違いない。
何故なら遠く離れたシカクさんのところまで、わざわざ「わるさ しにいく」ほどだから。
三角の景色をすぎ、なんだかややこしいところも越え、しだいに景色は四角になっていきます。
シカクさんの家に着いたサンカクさんは、ヘビがきらいなシカクさんに「シャーッ!」とヘビのマネして驚かせて喜んでいます。
やっぱりサンカクさんの性格は、丸くありません。
それでもシカクさんには「おこらんといてえな」なんてシラッと言うのですから、ちょっと友達にはしたくありません。
そこでシカクさんはその仕返しに、わざわざ遠くのサンカクさんのお家まででかけることになります。
この二人、仲がわるいのか。本当はとっても仲がよかったりして。
ジョン・クラッセンの絵がとってもいい。
この絵を見ているだけで、心がほっと丸くなります。
そして、何より長谷川義史さんの大阪弁がごっつうはまってます。