水たまりの世界へ疑問を抱き、思い切って飛び込んで行ったクーボとストロベリードッグ。その冒険心や、色鮮やかなイラストに、すっかり子供向け絵本と思っていると…。
小さな大魔神の逆さ言葉の呪いを恐れ、本当のことを言えず暗い表情で暮らしていた住人たち。これはどこか現実の大人社会にも似たところがあると感じました。
王座に駆け寄り、お仕置きを恐れずに、なぜ本当のことを言ってはいけないのか、小さな大魔神に尋ねたクーボの勇気。こんな風に思っても、実際にはなかなかこんなにストレートには聞けないことですね。
身体が大きくてもいいことはないと気づき、素直に悔い改め、呪いを解いた大魔神。これもまた勇気ある行動だと思いました。
思ったことを口にすることができ、明るい表情を取り戻した住人たち。清々しい気持ちになりました。
一見、子供向けかと思いきや、実は大人向けのメッセージも隠されていると感じた絵本でした。