エロール・ル・カインの表紙絵がとても素敵で気になったので、図書館で借りてきました。
原作は中世の吟遊詩人たちが語り伝えた「ロマンス」という詩だそうです。しかもさらにこの「ロマンス」には原型があって、ギリシア神話の「オルペウス(オルフェウス)の受難」だそうです。
日本の神話には『イザナミ』のを追って、読みの国に行く『イザナギ』の話がありますよね。
国はとても離れているのに、何故似たような神話が語り継がれているのか、改めて不思議な気持になります。
元々が吟遊詩人の詩なので、物語は言葉は仰々しくくどいのですが、どのページを見てもエロール・ル・カインの描く世界は素晴らしかったです。
私は《サー・オルフェオ》が自分の身分を捨て、突然消えた妻をさがしに一人旅に出て、放浪している2〜3ページのシーンの絵がすごく好みでした。
神話に興味がある人、エロール・ル・カインの絵に興味がある人などに特にお薦めします。