デュボザンの作品って、動物が主人公のものがとても多いのですが、この絵本で動物たちは脇役です。
主人公のミルクやさんはどこにでもいそうな愛想のいいミルクやさんで、はじめのうちは自分の仕事を楽しんでいるように見えました。
でも、人間ですから、毎日毎日同じことを繰り返していると、気持ちがまいってしまったりするんですね。
ミルクやさんの絵本は原作が1967年に発表されていますが、当時は仕事によるストレスで会社を休んだりって、あまり一般的でなかったと思います。
そんな中で、コインのお告げに従い、気の向くままに森へいったミルクやさんの行動力に逆に感服しました。
また、行方不明になったミルクやさんを心配するお客さんたちや上司たちがいる環境もいいなぁと、思いました。
子どもたちに読んでも、きっと楽しんで聞いてくれると思いますが、むしろ、仕事に疲れた大人たちに一服の清涼剤として読んであげたいな〜と、思う1冊でした。