宮城県の家で火の守り神として作られた人形が「かまどんちゃん」として出てきます。かこさとしさんは、東日本大震災で被災された方々を思いながらこの作品を書いたそうです。そういった背景を知った上で読むとまた違う味わいが感じられました。
女の子たちのおままごと遊びにつきあい、おませな女の子にあれこれと指示されているだるまちゃん。その中で、かまどんちゃんはとても上手にお料理を作ってみせます。みんなで平和に遊んでいたところで火事を発見。かまどんちゃんとだるまちゃんのとっさの判断で事なきを得ますが、最後に残る不思議な余韻は、この時代なら本当にこんなことがあったんじゃないかなと思わせてくれました。心がじんわりと豊かになる一冊だと思います。