納豆菌の活動内容、性質、納豆の作り方(今昔)、新製品の開発、自作の納豆づくりなどを、わりと詳しく紹介する絵本。
納豆菌のファンクラブがあったら、入会者は必読・必携の一冊。
子ども向けに作られているが、内容は充実していて、大人も十分楽しく学習・実践(納豆づくり、納豆の実験、納豆の選び方など)できる。
圧巻は、大画面いっぱいに納豆菌があちこちに飛び回る絵。
茹でた大豆の表面のみならず、私たちが生活する空間にも、土にも空にも、水の中にも、たくさんの納豆菌がうようよ生活している。非常にありふれた微生物だということが、よくわかる。
きっと今日も納豆菌と一緒に寝て、起きて、ご飯を食べて、トイレも一緒で、地下鉄にもいたりして。
食料品コーナーの納豆・水物あたりには特に精鋭部隊が出番を待っているだろう。
理科の内容(菌類の分類、性質など)と、社会の内容(納豆の製品としての進化、製造方法など)が同時に簡単に学べて、ユーモアもあり、楽しい。
一番驚いたのは、市販の納豆のパックの機能性!
発酵がしやすく、流通しやすく、納豆菌にとって快適であり、人間にとっても利用しやすい構造になっている。納豆を保管・流通・販売するのに昔〜現在まで、様々な材料の包材が用いられている。我々の納豆愛が遺憾なく表現された「納豆パック」。
稲わら→経木→紙パック・発泡スチロールパック、と変遷していく間に、人間も納豆も様々な時代の変化・ドラマがあったのだ。
感無量。
今日は、納豆を買って帰ろう。