ひねりがききすぎていて、軽く読んでしまったら心に残らない作品かも知れません。
タイトルの「べしらわ君」が「わらしべ長者」のもじりだとしても、昔話と現代の話では隔絶の距離感があります。
でも、母親を失い引きこもりになってしまったたくやと、倒産して職を失った父親の二人がたどる道は、自己解放だったとわかったらとても味わいのある絵本になりました。
財産を処分して手に入れたキャンピングカーが、いろいろなものに換わっていきます。
そして最後に手に入れたものは…、失ったものを手に入れたような感じでした。
長者から貧乏への道は、決して転落ではなかったと思います。