この絵本も高学年向けの読み聞かせリストの中で見つけました。
とても不思議なタイトルと思って読み進めると、診療費が払えないおばあさんが置いていったのが正夢が本当になる「まさ夢いちじく」だったわけです。
夢っていい夢の場合もありますが、悪夢という場合もありますよね。そう考えると、うっかりとは使えない、でも使ってみたいという願望が心をそそります。
そのいちじくを手にした人が、欲深でいかにも性格が悪そうな歯医者という設定であるところがまた興味を引くのです。
まるでショートフィルムを見ているようなお話で、ページを開くとつい引き込まれてしまうでしょう。
不気味さと小気味よさと痛快さが共存する不思議なお話です。