作者のお父さん自信がリトアニアからの亡命者だったためでしょうか。
ご自分のルーツに関わる第二次世界大戦中、東ヨーロッパでの起きた様々ことを、
ドイツ側からでも、ロシア側からでも、二つの国の争いに巻き込まれたバルト海沿岸の国々の人からでもなく、それぞれの国の子ども(若者)たちが、その時どう想い・どう生きてきたかを描いた作品でした。
この本を読み始めたのは11月の下旬、いつもの年より冷え込みが強く、はじめはストーブを付けていたのですが、後半はストーブを消したまま毛布にくるまって読みました。
そうぜずにはいられない「寒さ」をわたしはこの本から感じました。
歴史上の事実に基づきながら、描かれたフィクションの世界です。
作者は後書きにこんなことを書いています。
「どの国にもかくれた歴史があり、無数の物語が、それらを経験した人たちのあいだにのみ、受け継がれています」
この物語のテーマは実は「家族」だったのではないかなぁと、思っています。
加えて、生きること・守ること・支えあうことなどが悲惨な出来事の合間から見えてきます。
ぜひたくさんの中高生(若者)に読んでもらいたいです。
今後、中高生向けのブックトークのプログラムに入れて紹介できたらと、考えています。