ソビエトの代表的な絵本という触書の作品ですが、日本での初版が1963年。
今回読んだのが、1970年の第20刷でしたが、何と330円です。
今は、1155円が定価ですから、本当に息の長い作品です。
物語は、灰色のハリネズミの一家が、散歩に出かけるシーンで始まります。
その荒涼とした静かな森の描写は、心に響くものがあります。
そこで、オオカミと出会ってしまい、パパとママハリネズミは体の針を逆立て丸くなるのです。
パパとママハリネズミに言われ、坊やのハリネズミも丸くなりますが、オオカミが何とかしようとする場面は、緊張感みなぎるもの。
「くびはどこだ おかなはどこだ?
はなはどこだ みみはどこだ?」
こんなオオカミの言動は、考えるだけでぞっとすることでしょう。
遠くで鉄砲の音がして、オオカミ達は立ち去り、難を逃れるハリネズミなのですが、ホッとするお子さんも多い展開だと思います。
とても短い話なのですが、起承転結がハッキリしていて読み聞かせし易い作品です。
親子2代にわたって読み聞かせ出来る作品の1つとしてオススメします。