タイトルに書かれていることもあって、最初は恋物語として読んでいたのですが、そうだけとも言い切れない深みを感じ始めました。
金魚鉢で独りぼっちだった金魚さんのところに、オスの金魚が一匹入ってきました。
寂しいもの同士が心を通わせるのは当然と言えば当然だけど、これが恋なのだろうか。
しばらくするうちに、オスの金魚は外界にいた時を思い出してたまらなくなります。
決して楽ではなかったけれど、動き回れる場所と他の金魚たちがいました。
限られた「自由」もあったのでしょう。
オスの金魚の逃亡は自殺行為だったかもしれません。
でも、オスの金魚を引き付けるだけのものがあったのですよね。
また一人になって、小さな世界を愛する金魚。
ヤングアダルトたちは、どのように考えるのでしょうね。