みんなが一生懸命働いているところ、一見ぼーっとさぼっているようなフレデリック。でも、実はさまざまなこの世界の美しさを感じ、暗い冬にみんなに伝えようとしていた。
皆さんも感想に書いているように、子供の読み聞かせには誤解されそうで、ちょっと考えてしまうかもしれません。
ただ、我が家は主人がこういった仕事をしているもので、主人の仕事を理解させるのには丁度いいと思い読み聞かせています。
モノを生み出す仕事の大切さを子供に話すのしやすいと思うのですが、精神や心を豊かにする仕事の意義を説明するのはなかなか難しいです。そのため、この絵本は格好の説明材料になってくれそうです。
形あるものを得ようと働くことは勿論尊いことです。でも人間は目に見えないものがなければ生きていけないです。そのことをつい忘れがちですが、そうしたことをみんなに思い出させる仕事もあるわけです。
勤勉に生きようといった内容の絵本やお話は沢山あるので、(「アリとキリギリス」など)この「フレデリック」を読み聞かせても十分そちらで、カバーできると思っています。ですから、こういう内容の絵本はとても貴重ではないでしょうか。
昔、私が小さかった頃、結局世の中最後は農業が残ると思っていたことがありました。最後は食べるものだと。そう言った私に母は「そうだね」と。でも、いつか娘にこう問われたら、そうね。もちろんそうよ。でも、人間はモノだけを追って生きると空しくなってくるものなのよ。と答えるつもりでいます。