第二次安倍内閣の重要課題に「元気で豊かな地方の創生」が掲げられ、地方創生大臣が誕生しました。
高齢化、少子化、そして産業の空洞化で地方が疲弊していることは従来からいわれていて、そこにスポットライトをあてたのは適切な判断だろうと思います。。
どう結果を導き出していくか、石破地方創生大臣の腕のみせどころでしょう。
街は、地方だけでなく、確実に変化しています。
昭和30年代の風景を探すのは至難のわざです。
だから、映画評論家の川本三郎さんは昭和30年代の日本映画は文化資料としても貴重だといっています。
それと同じことが絵本の世界にもいえます。
石井桃子さんが文を、横内襄さんが絵を担当しているこの絵本は、昭和38年に「こどものとも」に掲載され、昭和42年に絵本になっています。
だから、ここで描かれている街や車はその当時のものです。
おおきなへやからとびだしたちいさなねこのお話ですが、ちいさなねこがとびだした蔵のある街など最近ではみかけなくなりました。
ちいさなねこは自動車に轢かれそうになるのですが、今ならまちがいなく轢かれています。車の量がちがいます。
そのあとちいさなねこは大きな犬と出合いますが、これも昭和ならではの風景です。
今なら首輪でつながれているでしょう。こんな大きな犬が首輪もなく街を歩いていたら、まちがいなくおまわりさんが飛んできます。
大きな犬に追いかけられて樹にのぼったちいさなねこですが、ちゃんとおかあさんねこが見つけてくれて無事に家に戻ることができました。
微笑ましい母子ねこのお話ですが、文化資料としての価値が高い作品といえます。
いまの若いお父さんお母さんの知らない街の風景ですから、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に読んでみるといいですね。
それこそ、「むかし、むかし、あるところに・・・」の昔話になってしまいそうですが。