1897年9月21日、アメリカの「ニューヨーク・サン新聞」に乗った社説。8歳の少女が出した手紙に、深い洞察力とするどい感性をそなえた新聞記者が、真剣に答えました。
少女のその後の人生の方向を決めてしまうような、大切な質問を、しっかり受け止めて、真心から返事を書いた新聞記者と、その手紙を取り上げた編集者、少女に「新聞社に問い合わせてごらん」と勧めた父親、当時の新聞を読んだ読者たち…100年以上たって、遠く離れた日本で、文化も言葉も全然違う私にも、この人たちの温かい心が伝わってきました。
小さな子どもの下らない質問だと、忙しい現実を生きる大人たちは切り捨ててしまったり、答えようがない質問を誤魔化したりせずに向き合ったからこそ、この少女の魂が救われ、また、この絵本を読む多くの人たちにも安らぎや希望が与えられていったのだと思います。
この本は、単なる絵本ではなく、深い哲学のような気がします。
このような「大事な質問」に真心でもって答えてくれる大人が、どんどん増えて欲しいと、切に願います。
サンタクロースさん、もし、大人にプレゼントをくださるのなら、このような素敵な温かい心になれるようにしてください。