安野光雅さんの絵本は「旅の絵本シリーズ」や『ふしぎなたね』などなど、大好きです。こちらの本も素晴らしい絵とユニークなストーリーが楽しく、大人も夢中になってしまいます。
大きなものの好きな王様のおはなしです。プールのような洗面器で顔を洗って、庭のような広いタオルで顔を拭いて一日がはじまる王様。たったひとつのりんごを、持ちきれないほどの大きなナイフとフォークで召し上がります。
そして王様は、家来にいろいろな大きな物を作らせます。巨大なチョコレートや巨大なペンチ、巨大なとりかごなどなど。わがままなのだけれど何となく憎めない王様と、命令を真面目に聞いて、真剣に大きなものをつくる家来たちの姿がなんとも楽しいです。
ただ単に大きく描いているのではなくて、きちんと設計されて本当につくったらこんな感じなのかなと思わせてくれる挿絵は、みているだけで夢が膨らみます。