安野光雅といえば緻密で繊細な絵を描く絵本作家というイメージがあるのですが、文も書いている絵本があるとは知りませんでした。
大きなものが好きな王さま。ないものは作らせてしまいます。小さな虫歯を大きなくぎぬきを作って抜かせる姿は滑稽だなと思いました。
こういう滑稽さって本人は気がつかないんですよね。
大きな植木蜂に大きなチューリップが咲くのを心待ちにしている王さまにも笑ってしまいました。
「はだかの王さま」ではないけれど、権力者って違っていても誰も教えてくれないところが孤独というのかかわいそうな感じもします。
この王さまは偉い人というよりは、子どもっぽいところがあるので、子どもは共感できたみたいです。
私はれんがの1個1個まで描いている安野光雅の絵をじっと見て「この人の絵はすごいなあ」と思いました。