1979年に小学校1年生向けの国語の教科書の私案として出版されました。まず初めは言葉を話せるのは人だけであること、色々な国があって国によって言葉が違うことが示されています。文部省の教育要領にとらわれない内容で、読むこと・書くことよりも、話すこと・聞くことに重きを置いているそうです。お話しだけでなく、詩、なぞなぞ、パズル、地図の見方など楽しいことがたくさん入っています。マニュアルにこだわっている教師には教え方の力量も問われるかもしれません。
最近の学生の言葉に「かわいい!」があります。何に対してもまず「かわいい!」なのです。友だちのバッグにも洋服にも、シャープペンシルにも、絵本にも、私のくしゃみにも…。日本語を母国語として獲得しつつある乳幼児に毎日関わる者がこれでは心配です。彼らにもこの本をサブテキストとして与えたいと思いました。
安野光雅さん、大岡信さん、谷川俊太郎さん、松居直さんというそうそうたる方々が執筆されています。
絵本の好きな大人の皆さん、ぜひ手に取って真剣に読んで下さい。そして「言葉」を改めて意識してみませんか。そして絵本の中のすてきな言葉探しをしてみませんか。