13世紀、中世ノルウェーの偉大な王となったホーコン王子は
赤ん坊の頃、
厳寒の吹雪の山中を勇猛な戦士達に守られ、生き延びたとのこと。
このお話はそのエピソードを丁寧に構成しています。
追っ手から逃げるため、山中をスキーで進んでいった戦士達。
戦士といっても、すねに白樺の皮を巻きつけただけの貧しい農民達。
スキーも装備も実に簡素です。
ノルウェーの厳しい自然が描かれます。
最後は宗教的な奇跡もありますが、
戦士に託しながらも、王子を守りきった王妃の
「母の強さ」が浮かび上がるようです。
今でも、そのエピソードにちなんだクロスカントリー・スキー競技があるようですね。
王子の命を守ることで、国に平和をもたらした、という強い自負を感じました。