息子が生まれて生後2ヵ月目、朝も昼も晩もない日々。
わが子を育てることが、命を授かることがこれだけ大変だなんて、誰も教えてくれなかった。毎晩授乳が大変で、なんで泣いているのかもわからない、まだ自分がママだなんて言えること何一つできていないと思い、落ち込み、泣いてばかりいた時に、絵本ナビ編集長のエッセイでこの絵本に出会いました。
そこには、私の理想の母親像がありました。
私の愛しい、大切な息子。どんな時も私はあなたのママで、あなたを一番愛している。いろいろなシーンと共に繰り返すママからの息子へのラブレター。
授乳を終えて、授乳クッションの上ですやすや寝息をたてているわが子に優しく奏でるララバイのように、でもどちらかというと今の自分に言い聞かせるように、暗がりの中、泣きながら声に出して読んでいました。
ママはぼうやを愛しているわ。そう口に出すだけで優しい気持ちが胸いっぱいに広がりました。そして、ああ、私はママで、この子は私の息子なんだ、将来こんな未来が待っているんだと感情が溢れ出して、つらかった気持ちが一瞬で吹き飛びました。
大好きな成長した息子の幼い頃を思い出すのも、今現在進行形の反抗期の息子の本当は可愛いときを思い返すのも、きっと、人によって読み方はいろいろだと思います。私はまだ息子となんの思い出もないけれど、これから先待っている息子との未来を思い描く素敵な絵本となりました。
特に好きなところが最後のこの部分。
「ぼうやはママの愛する子供だけど、
でもね、ぼうやは決して
ママのものにならないって分かってる。」
将来、この絵本を年頃の息子が読んだらどんな風に感じてくれるんだろう?と想像して、これからたくさん思い出を一緒に作っていきたいなと思いました。
なによりも、新米ママとしてくじけていた自分を誰よりも勇気づけてくれた、私にとってはママのバイブル的な絵本です。