横浜市瀬谷区役所地域振興課の企画で『タイトルを探し出せ!』という本の謎解きイベントが行われていて、そのリーフレットには、著者名と本の一節が書かれていて、その本の題名を探すというなかなか粋な企画なのですが、その謎7が、竹下文子さんの本で
そうだ。わかった。ほしかったのは、なまえじゃないんだ。
なまえを よんでくれる ひとなんだ。
とありました。竹下さんというとネコだよねと思いながら、ググると絵本ナビがヒットして、その一節が出てきて、そして無事に本の題名が『なまえのないねこ』と分かりました。早速、読んでみました。
そうか、自分だけ名前がないというのは辛いものなのかもしれませんね。そして逆に、名前には色々な意味や思い、そして愛情が込められているものなのだと改めて気づかされました。私は、引用の節も心に残りましたが、公園のベンチの下で子猫が雨宿りしている時の寂しさを表すのに、
こころのなかが あめのおとで いっぱいになる
という表現がとても沁みました。寂しいってこういうことなのかもしれませんね。
裏表紙の見返しのたくさんの猫とその名前もとてもユニークでした。猫好きにはたまらない絵本かもしれません。ちょっぴりせつなくて、でも最後がハッピーな本ですが、小さい子の心にもきっと響くことと思います。お薦めです。
余談ですが、読後に私はフリーマンの『くまのコールテンくん』を思い出しました。この猫と女の子の関係が、コールテンくんと女の子の関係のように絶対になる気がしてなりません。メロン、お幸せにね。