私の手元にある絵本は1976年に発行されたものです。時々取り出しては読んでいました。先日『絵本とは何か』(松居直、日本エディタースクール出版部、S.50)を再読しました。細かく分析された章(絵本の作品研究・試論ー「ねむりひめ」ー)を読み、絵本と照らし合わせながら改めて読んでみました。グリム兄弟による童話とその訳、フェリックス・ホフマンの絵、まさに芸術だと思いました。しかし松居先生の分析もすばらしい!! 絵本の研究ってこのようにやってもいいのだ、と教えられました。1冊の絵本を原書を忠実に訳して、丁寧に考察することは大変な労力だと思います。でもただかわいい、とか面白いだけでない絵本の奥深さを知ることで、その楽しみがもっと大きくなるのです。子育て真っ最中のパパやママたちには、こういった文献を読んでいる暇はないと思いますが、時々は作者について知ることも大事だということをわかって欲しいと思いました。せっかく良い絵本に出会っているのですから。