韓国の観光客船セウォル号の沈没事故に衝撃を受けた事が、作者がこの絵本を描くきっかけと書かれていて、とても深い意味を感じました。
じわじわと沈没していく船の中で、死んでいった子どもたちが、ヒキガエルとして描かれているとしたら、この飛躍は何故でしょう。
たくましく生きていくヒキガエルたちのように生きて欲しかったと言うのでしょうか。後に掲げられた詩と、「たいへんなことがあっても、また起きあがり、てくてく歩きだせますように。」という言葉が饒舌です。
打楽器のような音だけが響く中で、ヒキガエルたちは群れとなり、たくましく生きていきます。その集団行動、交尾、無数の産卵、ちょっとエロチシズムすら感じさせるおおらかさで、生きるということを描ききった作品です。