憧れます。
くじゃくのぼくは、羽を広げているおとうさんを。
おたまじゃくしのぼくは、葉っぱの上のおとうさんを。
カタツムリのぼくは、大きなおうちを背負うおとうさんを。
キリンのぼくは、遠くを見渡すおとうさんを。
ペンギンのぼくは、出発して行くおとうさんを。
こんなに小さくて何もできないぼくは、憧れます。
頑張るおとうさんを。
でも。
頑張っていないおとうさんも、好きなんだ。
だらしなくあくびをしていても、ぐにゃあと寝ていても。
大好きなんだ。
だって……。
ぼくのおとうさんなんだから。
小さな子どもにとって、親はこの世の全てです。
だから、頑張っていてもいなくても、子どもにとっては憧れだし、大好きなんです。
柔らかな絵と短い文章で子どもの心を描き出す、とても素敵な絵本だと思います。