Ehon Naviに出会う前に、息子達と親子ともどもはまっていたのが、アンソニー・ブラウンの作品です。
全部読破したのですが、投稿していない作品ばかりなので、再度読むことにしました。
この作品は1991年の発刊で、邦訳は1994年です。
「こしぬけウイリー」が1984年の作品で、同じウイリーが主人公なのですが、話の連続性はありません。
「こしぬけウイリー」は、自分に自信がないというのがテーマでしたが、今回は、友達がいないというテーマです。
「ウィリーは、ひとりぼっちでした」
という文章で始まります。
ウィリーは、歩く時に背中を丸めているのに対して、周りではみんな友達と仲良く遊んでいるという構図が象徴的。
公園を歩いていると、よそ見をして走ってきたヒュー・ジェイブとぶつかってしまいます。
二人の出会いです。
ウィリーもそうですが、擬人化したゴリラのヒューの容姿が何とも言えません。
筋肉隆々でラグビーをやっていそうな感じで、確かにこういう人って、いるいるって思ってしまいます。
出会いがあって、仲良くなり、動物園とか図書館に行くのですが、動物園のオリの中にいるのは、人間の家族。
如何にもアンソニー・ブラウンらしい描き方です。
そして、図書館でウィリーは、自分に出来ることをヒューにしてあげるのですが、何とも素敵なエピソードです。
自分が他人に合わせるのでなく、自分らしさを表現して、自分に出来ることをすることで理解して貰う、そんなことを諭してくれます。
読んだ後に、ほっとした気持ちになること間違いありません。
静かな物語ですが、その分、心に染み入る作品としてオススメします。